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林 由紀雄; Pirozhkov, A. S.; 福田 祐仁; 神門 正城; Faenov, A. Y.; 川瀬 啓悟; Pikuz, T. A.*; Bulanov, S. V.
no journal, ,
短パルス高強度レーザーをターゲット上に集光照射することで、短パルスのX線が生成することが知られている。このX線を利用した研究も既に報告されている。例えば、Chen等は、Ar 線を用いて、蜘蛛の位相コントラストイメージングを、Pikuz等はLiF計測器を組合せてナノ構造のイメージングを行っている。高強度場相互作用においてガス(クラスター)ターゲットは有力なX線発生方法の一つである。今回、われわれは高強度場相互作用によるキセノン(Xe) 線の生成を試みた。J-KARENレーザーで3.3MPaのガス圧でXeに集光強度3.510(W/cm)で照射した結果、世界で初めて高強度場相互作用によるXe 線生成に成功した。このXe 線の半値幅は約0.7keVとX線CCDのエネルギー分解能より大きいが、これはXe 線(29.78keV)及び線(29.46keV)が重なっているためと考えている。
薮内 敦; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 長谷川 繁彦*; Zhou, Y.*; 朝日 一*
no journal, ,
磁性半導体GaCrNのMBE成長においては、二次相の析出を抑制しつつ高濃度にCrを固溶させるために低温成長が試みられているが、空孔型欠陥の制御が課題である。これまでに540Cの低温成長では700Cの高温成長では見られなかった空孔クラスターが導入されることを明らかにしてきた。しかしこれまでに用いた試料は成長最後に700Cでキャップ層を成長させていたため低温成長GaCrN層もアニールされている。本研究ではアニールの影響を受けていない低温キャップ付低温成長GaCrN試料に含まれる空孔型欠陥について評価した。MOCVD-GaN基板上に、MBE法によりGaNキャップ(4nm)/GaCrN(500nm, =540C)/GaNバッファ(40nm, =700C)構造を作製した。GaNキャップ層の成長温度が700C, 540Cの試料について、陽電子消滅線エネルギー分布測定を行った。その結果、両試料ともGaCrN層での線エネルギー分布における中心強度(パラメータ)はMOCVD-GaN参照試料の値よりも高く、空孔型欠陥が導入されていることを示す結果が得られた。ただし高温キャップ付試料では陽電子入射エネルギーの増大に伴い値はなだらかに減少したのに対し、アニールの影響を受けていない低温キャップ付試料では値の急峻な変化が観測された。このことから、高温キャップ成長により特にバッファ層近傍のGaCrN層で欠陥の回復が起きていたことが示唆された。
中里 智治*; 清水 俊彦*; 山ノ井 航平*; 酒井 浩平*; 猿倉 信彦*; Ehrentraut, D.*; 福田 承生*; 田中 桃子; 錦野 将元; 山谷 寛*; et al.
no journal, ,
次世代リソグラフィへの応用が期待される極端紫外(EUV)光源の進歩により、この波長領域における機能的な光学素子の開発にも強い関心が集まっている。その一つが光源診断にも応用可能なEUVシンチレーターである。これまで、われわれのグループでは、発光寿命・波長,結晶の品質の点で優れたシンチレーター材料になりうる酸化亜鉛(ZnO)に注目し、有力なEUVシンチレーター材料であることを明らかにし、高速化にも成功するなど成果を挙げてきた。本研究では、このZnO結晶を画像素子として応用することを目指しその空間分解能の評価を行った。実験は、原子力機構の軟X線レーザー(波長13.9nm)を用いて行った。フレネルゾーンプレート(FZP)で集光した軟X線レーザーをZnO結晶に照射し、その発光パターンをシュバルツシルトミラーとカメラ用レンズを組合せた拡大光学系を構築しCCDで撮影した。これをFZPの焦点付近を中心にさまざまな照射スポット径にて行い、ZnO結晶のEUVシンチレーターとしての空間分解能を見積もった。発光パターンはすべてシングルショットで撮影されており、このことはZnO結晶のEUV画像素子としての可能性を示す重要な成果である。
松倉 武偉*; 中島 孝仁*; 前田 佳均; 鳴海 一雅; 寺井 慶和*; 佐道 泰造*; 浜屋 宏平*; 宮尾 正信*
no journal, ,
本研究では、鉄ホイスラー合金薄膜/Ge(111)エピタキシャル界面での低温イオンチャネリングを行い、軸上での原子変位=動的変位(熱振動)+静的変位(格子不整合など外因変位)への温度の影響を検討した。200C以下で行う低温分子線エピタキシャル(MBE)成長によってホイスラー合金薄膜FeMnSi(111)(50nm膜厚)をGe(111)上に成長させた。軸配向性を評価する最小収量:,臨界角は、2MeV Heイオンを用い、後方散乱角165で測定したGe111軸チャネリングディップ曲線から求めた。これまでの研究から、FeMnSi/Ge界面での軸配向性は格子不整合によって支配されていることが示唆されている。測定温度が低下するにしたがってが減少し、が増加し、軸配向性が改善されることが明らかになった。FeMnSi/Ge界面の熱膨張による格子不整合の変化は0.27%@300K, 0.15%@110K, 0.10%@40Kと低温で大きく減少することから、これらの軸配向性の変化(改善)は熱膨張による格子不整合の緩和(減少)によるものであると考えられる。
山口 憲司; 北條 喜一
no journal, ,
欠陥量を最小限に抑えた高品位鉄シリサイド薄膜の作製を目指して、より低エネルギーのイオン照射による基板のスパッタ洗浄を試み、その有効性を検討した。実験では、0.8keVのNeイオンビームをSi (100)基板に510Paの超高真空中にて室温で照射し、その後最高1173Kまで加熱した。基板の結晶性をRHEED(反射高速電子回折)で確認した後、973Kにてイオンビームスパッタ蒸着法により鉄(Fe)を蒸着させ、-FeSi薄膜を作製した。初期実験の結果、アニール前後で観察したRHEEDパターンから、1keV以下の入射エネルギーでも十分に基板表面がスパッタされ、適切なアニールを行うことで基板の結晶性が回復することがわかった。
竹安 秀徳*; 岡崎 勇志*; 小倉 俊太*; 大谷 拓海*; 高橋 芳浩*; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 牧野 高紘; 大島 武
no journal, ,
半導体デバイスに高エネルギー粒子が入射することでデバイス内に発生する電荷により、過渡電流が流れ、誤動作や故障が引き起こされる(シングルイベント現象)。現在、シングルイベント現象の抑制にはSOI(Silicon on Insulator)構造が良いという提案がなされているが、実際のイオン照射の結果では、BOX層を介した変位電流のため、活性層で発生する電荷以上の収集電荷量が確認されている。支持基板表面の空乏層幅を抑制することでBOX層を介した収集電荷が抑制可能であると考え、支持基板印加電圧を変化させることにより空乏層幅を変化させ、収集電荷量に及ぼす影響を評価したところ、BOX層を介した電荷収集を抑えられることが見いだされた。
阿保 智*; 増田 直之*; 若家 富士男*; 小野田 忍; 牧野 高紘; 平尾 敏雄; 岩松 俊明*; 尾田 秀一*; 高井 幹夫*
no journal, ,
宇宙放射線などに起因する高エネルギー粒子入射によって半導体素子で発生する誤動作(ソフトエラー)は、近年の半導体素子の微細化により大きな問題となっている。放射線耐性の高い半導体素子としてSOI(silicon-on-insulator)半導体素子が挙げられる。しかし、SOIデバイス特有の基板浮遊効果によりソフトエラーが発生するため、その発生メカニズム解明及び抑制構造の開発が重要である。本研究では、バルク及びSOI SRAMの放射線耐性評価を酸素イオン(918MeV)を用いて行った。評価に用いたSRAMは、通常のバルクSi基板と90nmノードSOI-SRAM(SOI層が75nm,BOX層が145nm)でしきい値電荷は1.8fCである。酸素イオン入射でのソフトエラー発生率が13MeV以上で飽和することが見いだされた。酸素イオン入射によりSOIボディで発生する電荷をSRIMコードを用いて計算した結果、13MeV以上の酸素イオンはSOIボディにしきい値電荷以上の電荷を発生させることがわかった。したがって13MeV未満の酸素イオン入射で発生するソフトエラーは、基板浮遊効果の電流増幅により引き起こされ、13MeV以上の酸素イオン入射では、酸素イオン自身による電荷生成と基板浮遊効果の相乗作用によるソフトエラーの発生と結論できた。
石野 雅彦; Faenov, A. Y.*; 田中 桃子; 保 智己*; 河内 哲哉; Inogamov, N. A.*; Pikuz, T. A.*; 大場 俊幸; 海堀 岳史; Khokhlov, V.*; et al.
no journal, ,
軟X線レーザーによるアブレーション基礎過程の理解を目的として、アルミニウム表面の照射痕を走査型電子顕微鏡で観察したところ、照射領域にアブレーション構造とは異なる微細構造が形成されていることを確認した。この領域には200nm程度の直径を持つ円錐状の構造物が多数確認できる。これまでにレーザープラズマから発生する軟X線を連続照射した有機高分子表面に微細構造が形成されることが報告されているが、軟X線レーザーの照射においても同様の現象が金属表面に起こることが明らかとなった。軟X線レーザーによるアブレーションは、熱的な蒸発描画よりも破砕的な過程が原因と考えられているが、アルミニウム表面に形成された微細構造は、照射領域の熱的融解に起因するものと考えられる。
出来 真斗; 伊藤 拓人*; 富田 卓朗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*; 北田 貴弘*; 井須 俊郎*; 小野田 忍; 大島 武
no journal, ,
ワイドバンドギャップ半導体であるシリコンカーバイド(SiC)に、透明材料の内部加工が可能なフェムト秒レーザーを照射し、SiCの局所電気特性制御を試みた。フェムト秒パルスレーザーの照射フルエンスを1.5J/cmとしたときは、10Aオーダーの微小電流しか流れないが、照射フルエンスを5.0J/cmまで上昇させると、3桁以上も電流値が増加した。実験結果をまとめると、照射フルエンスが1.0から3.3J/cmにおいては、電流値の大きな変化は確認されなかったが、約5.0J/cmから電流値は急激に増加し、最終的におよそ10Aオーダーの電流が流れ、6から7桁も電気伝導度が変化した。5.0J/cmにおける急激な電流値の変化は、閾値フルエンスを超えた領域に発生するSiCの相転移に起因する現象であると考えられる。
野尻 琢慎*; 西野 公三*; 柳澤 英樹*; 松浦 秀治*; 小野田 忍; 大島 武
no journal, ,
200keVの電子線をAl(Alminium)をドープすることでp型とした4H-SiC(Silicon Carbide)エピタキシャル基板へ照射した。照射前後で200Kから600Kの範囲で正孔濃度を測定した結果、ドープしたAl濃度が高いほど、正孔密度の減少量が大きいことが明らかになった。電子線のエネルギーが200keVの場合、電子線はSiC結晶中のC原子のみを変位させることができると考えられる。したがって、実験によって得られた正孔密度の減少原因は、C空孔が関与すると結論できた。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
酸素分子線の並進エネルギーが2.2eVの場合のレストアトムと表面形状の暴露量依存性を光電子分光とSTMを用いて調べた。実験は、SPring-8のBL23SUのSUREAC2000にて行った。77構造を確認後、300Kにおいて超音速酸素分子線を照射した。バックフィリング酸化と異なり、Si2pのバルクピークの低結合エネルギー側の強度は暴露量に対して変化しない。この強度がレストアトムと成分の足し合わせに由来すると仮定すると、分子線照射直後の低結合エネルギー側の成分の大部分が成分と推察される。酸化開始直後には既に77構造は観測されず、酸化物に由来すると思われる不規則に分布する白い輝点が観測された。これは酸化の進行に伴い増加した。このEk条件では、活性化直接吸着が起こることが予想されているので、表面の一様な変化は、酸素分子の衝突位置での解離吸着に関連していると推察される。
水木 純一郎
no journal, ,
第71回応用物理学会学術講演会のシンポジウム「材料分野における量子ビーム応用の進展」において、最後に「クロージングトーク:物質・材料研究からの量子ビーム応用の進展」と題して講演をする。量子ビームの中で特に放射光X線と中性子線の相補的利用が物質・材料研究にとっていかに重要であるかを強相関電子系を例にして示す。物質・材料研究の今後の進むべき研究の方向のキーワードは、「その場観察」,「実材料」,「ダイナミックス」であり、これらに対して量子ビームがどのように寄与できるかを提案する。
圓谷 志郎; 松本 吉弘; 楢本 洋*; 境 誠司
no journal, ,
近年、有機分子やナノ炭素物質を用いた分子スピントロニクスが注目されている。グラフェンを用いたスピントロニクス素子を作製するには、急峻なグラフェン/磁性金属界面を作製する必要がある。今回、磁性金属表面上でベンゼンガスの分解・重合により層数の制御されたグラフェン薄膜のエピタキシャル成長を行った。AlO(0001)基板上にNi(111)薄膜をエピタキシャル成長した。同試料を600Cに保持した状態でベンゼンガスを曝露しグラフェンを成長した。成長中のグラフェンの結晶性は反射高速電子線回折を用いてその場観察した。ベンゼンを100-200L(1L=110torrsec)曝露することによりNi(111)表面が均一な単層グラフェンで覆われることがわかった。さらに作製した試料のNi層を除去することにより成長したグラフェンシートの任意基板上への転写に成功した。
小川 奏; 赤羽 温; 山川 考一
no journal, ,
本研究は近年注目されている高エネルギーピコ秒レーザー開発に関するものである。光パラメトリックチャープパルス増幅(OPCPA)システムの高エネルギー化には、これまでのようなNdレーザーに代わる高エネルギーピコ秒パルスレーザーの開発が急務である。そこでわれわれはNdより増幅帯域の大きいYb系材料に着目し、研究開発を行ってきた。本発表は、低温冷却したYb:YLF結晶を用いることでパルスエネルギー100mJに達したことに関するものである。高い効率を持ったYb材料であれば、再生増幅器1台のみで100mJ以上のパルスエネルギーの発生が可能となり、これにより非常にシンプルな増幅器構成が可能となる。これは今後の高エネルギーOPCPAシステム開発などに非常に有用な要素技術である。
高橋 正光
no journal, ,
表面の構造変化のダイナミクスは、結晶成長を理解する基礎として重要である。表面ダイナミクスには、質的に異なる2タイプがある。ひとつは、膜の被覆率や、島の密度の増減のように、平均構造が全体として移り変わっていくものである。これに対し、平均構造としては平衡状態にあっても、局所構造がゆらぐようなダイナミクスもある。たとえば、吸着・脱離平衡や、ステップ端のゆらぎなどである。しかしながら、この種の構造ゆらぎを実験的に測定・評価するのは難しい。レーザー光源の存在する可視光領域では、比較的低い振動数でゆらぐ散乱体のダイナミクスを研究する手法として、強度ゆらぎ分光法が古くから用いられている。本研究では、レーザー光源に近い性質を持つ第三世代放射光X線を用いた強度ゆらぎ分光により、分子線エピタキシャル成長中の構造ゆらぎの解析を試みた。
岩本 直也; 小野田 忍; 牧野 高紘; 大島 武; 児島 一聡*; 小池 俊平*; 小泉 淳*; 内田 和男*; 野崎 眞次*
no journal, ,
炭化ケイ素(SiC)を用いた耐放射線性素子開発の一環として、線がSiCダイオードに入射した際の過渡電荷収集量Q(t)と放射線誘起欠陥との関係を調べた。6H-SiC n型エピタキシャル基板上に作製したpnダイオードに対し、エネルギー1MeVの電子線を110/cm照射することで放射線誘起欠陥を導入し、180310Kの温度範囲で、放射性同位体Amからの線をダイオードに入射させることでQ(t)を測定した。その結果、電子線未照射のダイオードのQ(t)は、イオン入射直後からn秒レベルで瞬時に立ち上がった後に飽和するのに対し、電子線を照射したダイオードのQ(t)は、急激な立ち上がりはなく、数10sにわたって徐々に増加することがわかった。また、未照射試料のQ(t)は温度にほとんど依存しないが、照射後に見られるsオーダーで増加する成分が温度に大きく依存することも併せて明らかとなった。この結果は、線によってダイオード内に生成された電荷が、放射線誘起欠陥に一度捕獲され、再度放出されることに起因しており、各温度におけるQ(t)から2つの時刻での電荷収集量Q(t1)及びQ(t2)を導出し、その差分Qと温度の関係を求めたところ、電子線を照射したダイオードからは205K及び279K付近に明確なピークが観測され、この温度に対応したエネルギーでキャリアを捕獲・放出する欠陥が形成されたと結論できた。
藤川 誠司; 高橋 正光
no journal, ,
GaAs(001)基板はFeの格子定数の2倍に対して格子整合がよく、なおかつFe(001)100//GaAs(001)100のエピタキシャル関係で成長することが知られているため、Fe/GaAs(001)ヘテロ構造はスピントロニクスデバイスへの応用が期待されている。その界面にはFe, As, Gaからなる化合物が形成されることが知られており、良質なヘテロ構造形成にはそれらの化合物の制御が重要である。しかしながら、原子レベルでの薄膜における基板と化合物の結晶方位の関係はまだわかっていない。本研究では、GaAs(001)基板上にAs照射下でFe-As化合物薄膜を形成し、その場X線回折により[10]及び[100]方向の観察を行った。その結果、強磁性FeGaAs化合物単結晶が(1FeGaAs//(200)GaAs及び(10)FeGaAs//(20)GaAsのエピタキシャル関係で形成されることがわかった。
加倉井 和久
no journal, ,
この講演ではこれからの新機能材料や創薬開発に向けてますます重要になると思われる量子ビーム「中性子」を活用した材料分野における利用研究の例を解説して、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所内の定常中性子源施設(JRR-3)とパルス中性子源施設(J-PARC MLF)を相補的有効利用する中性子ビーム利用の新展開の可能性とそれに向けた中性子ビーム技術の高度化の取り組みの現状を紹介したい。
飯倉 寛; 筒井 紀彰*; 中村 龍也; 片桐 政樹*; 呉田 昌俊; 久保 純*; 松林 政仁
no journal, ,
原子力機構では、秩父富士と共同で中性子用シンチレータの開発を行っている。中性子ラジオグラフィ用に開発された新規LiF/ZnSシンチレータの評価を行ったところ、従来品と比べて、空間分解能は同等の性能を保持したまま、輝度は約3倍明るくなることが確認された。本コンバータの利用により高速撮像の画質が格段に向上し、毎秒数万フレームの撮像も可能となり、自動車エンジン内のオイル挙動等のリアルタイム計測等に活用されるに至った。
今泉 京*; 高橋 良太*; 半田 浩之*; 齋藤 英司*; 吹留 博一*; 末光 眞希*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆
no journal, ,
われわれはSiC表面と酸素分子の温度・圧力反応図に注目し、酸素ガス雰囲気で1273Kという低温でSiC表面のグラフェン化が可能であることを見いだしている。今回われわれは超低圧酸素雰囲気下でのグラフェン形成過程を、放射光光電子分光法を用いたリアルタイム測定により評価した。Si(111)基板上にモノメチルシランを原料ガスに用いて成膜した3C-SiC(111)薄膜を用い、SPring-8 BL23SUにてリアルタイム放射光光電子分光測定を行った。反応時間の経過とともにsp2炭素に起因するC1sピーク成分が増大し、SiC薄膜表面のグラフェン化が進行していることが明らかになった。